キングダム
次いで、水滸伝や封神演義等が思い浮かぶけど、これは春秋戦国時代という今まであまり見なかった題材で、新鮮だった。
物語は、史実半分空想半分という史劇とファンタジーのミックス。
名もない下僕の少年が戦場で武功を上げながら大将軍を目指ざすというのが主軸で、この少年自体は実在しない架空の人物。
けど共に戦う戦友だったり、対峙する敵将なんかは史実にある人物だったりしていて、そういう人の生き様は史実から外れないようになっている。
特に、序盤で運命的な出会いから協力関係になる秦国の若き王「嬴政(えいせい)」は後に中国全土を統一する始皇帝の若かりし頃という設定。
◎主役の下僕少年「信」ってのが熱血おバカ設定なので、春秋戦国時代の事を知らなかったとしても自然と同じ目線で話に入れるようになっている
×とはいえその、熱血おバカぶりが大仰なもんで、時々イラッとくる
(「わかってる、けど・・。」っていうセリフが多いw わかってないからけどなんだろーが、それならいっそのこと「わかりたくも無い」といい放ってくれ)
×加えて、主役「信」の声が生理的にNGだったので一瞬くじけそうになった
◎しかし、後半になればなる程、他の人達の活躍シーンも増えたり物語の中身に集中してくるので徐々に気にならなくなった
◎周りを取り囲むキャラは魅力的で、人物相関も見所
◎大河ドラマを思わせる壮大なスケールで、ワクワクする
×CGも結構使われているんだけど、その部分が不自然でなんか違和感がある
◎史実の隙間をうまいことファンタジーとして埋め込みしてあるので、物語として普通に面白い
大枠の流れは史実に沿っているからだいたいどうなるのか既知だったり、調べればすぐ分かったりするわけで、つまり半分は最初からネタバレしてる状態なのにそれでも先が気になってワクワクするのは、ファンタジー部分の埋込みがうまく行ってるって事なんだと思う
◎春秋戦国時代の史実がそこそこ程度把握できる(上述通り鵜呑みにはできないけど)ので、全く知らない人ならそれなりに勉強になる
◎王騎将軍
最初見たときは確かに「唇巨人」だし、男色っぽい喋り方とかするから、
なんだこの人??っていう印象だったのが話が進むにつれてメチャかっこ良いって思っちゃうんだよ。
なんか「粋」なんだよね。
とぼけたフリしていつも真理に精通しているというか、心意気もそうだけど。
(粋って言葉自体意味は広いけど)
最後はほんと、、、本物の傑物というのはこういう人の事を言うのだね。
かっこ良かったわ。
◎共に戦う仲間達
伍長を中心とした最弱とのレッテルを貼られた5人から始まるチームが経験と武功を重ねながら信頼できる仲間を増やしていくのが王道っちゃ王道だけど、癖のあるメンツがまたいいね。
少年から爺さんまで幅広く農夫達が戦士に変わっていく様は心が踊る
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総評
とても楽しかった。
現在セカンドシーズン放送中なので終わるまで待ってから見るか考え中だけど、先が気になってしょうがないものこれ。
チラッと調べたところ、今後は同世代のライバル達の出現もあるようで益々楽しくなりそうな予感。
少しネタバレ↓
前半は、腹違いの弟に図られ王座を追われた嬴政と途中協力を仰ぐことに成功した山の民と共に王座を奪還する戦いが繰り広げられる。
後半は、仲間を増やしながら戦場で成長する信の姿と王座に返り咲いた嬴政が中国統一を目指し、様々な敵と頭脳戦を繰り広げる様子が並行して描かれる